出張整備とは?できる作業と料金・依頼前の確認点

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出張整備とは?できる作業と料金・依頼前の確認点

2026年11月02日 NEW
モビリア総研 › 出張整備とは?できる作業と料金・依頼前の確認点
目次

「整備工場へ車を持ち込む時間がないけれど、出張整備ならどこまで頼めるのだろう」

「出張費がかかると割高になりそうで、依頼に踏み切れない」

こうした悩みを抱える方は少なくないでしょう。

本記事では、出張整備の仕組みと2025年に始まった訪問特定整備制度、出張でできる作業とできない作業、出張整備がおすすめな人、料金の目安、依頼前に確認したい点を解説します。

頼みたい作業が出張で受けられるかどうかが分かれば、依頼先を比べるときにも迷いにくくなります。

モビリア総合研究所が、出張整備を利用、または利用を検討したことがある102名に実施した独自調査の結果も紹介しますので、依頼先選びの参考にしてください。

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出張整備とは|訪問特定整備との違い

出張整備自体は以前から行われていましたが、2025年6月30日に訪問特定整備制度が施行され、認証工場は条件を満たせば、事業場(認証を受けた工場の敷地)の外でも特定整備を行えるようになりました。

「出張整備」と「訪問特定整備」は同じ意味の言葉ではないため、まずは両者の関係を整理しておきましょう。

出張整備と訪問特製整備の関係

出張整備と訪問特定整備の違いを理解するために押さえておきたいことは、次のとおりです。

  • 出張整備は整備士が車のある場所を訪れて作業するサービス
  • 出張整備のうち特定整備を行うのが訪問特定整備
  • 訪問特定整備と限定訪問特定整備の違い
  • ロードサービスとの違い

それぞれ見ていきましょう。

出張整備は整備士が車のある場所を訪れて作業するサービス

出張整備とは、整備士が自宅の駐車場や勤務先など、車が置いてある場所を訪れて整備を行うサービスです。

整備工場へ車を持ち込む必要がないため、移動や待ち時間を省けるのが特徴といえます。

オイル交換やタイヤ交換、バッテリー交換のように、エンジンやブレーキなどの装置の取り外しをともなわない作業は、以前から出張で行われてきました。

国土交通省のQ&Aでも、特定整備をともなわない点検や整備を事業場の外で行う事業について、道路運送車両法上の特段の規制はないとされています。

ただし、出張整備を行う業者には国の認証を受けた整備工場もあれば、そうでない業者もあるため、依頼するときは業者の条件を確かめることが大切です。

参考:訪問特定整備等Q&A(国土交通省)

出張整備のうち特定整備を行うのが訪問特定整備

特定整備には、エンジンやブレーキなどの取り外しをともなう分解整備と、自動ブレーキ用のカメラやレーダーの調整などを行う電子制御装置整備が含まれます。

これまで特定整備は、国の認証を受けた「認証工場」が、自社の事業場の中で行う必要がありました。

2025年6月30日に施行された訪問特定整備制度により、認証工場は一定の安全ルールのもとで、利用者の自宅など事業場の外でも特定整備を行えるようになっています。

国土交通省は、自宅で車のエンジンがかからない場合の修理などを、制度の利用例として挙げています。

訪問特定整備を行えるのは認証工場のみで、作業の責任も訪問した整備士個人ではなく、認証工場が負う仕組みです。

参考:自動車の「訪問特定整備」制度を新設します(国土交通省)

参考:自動車特定整備事業について(国土交通省)

訪問特定整備と限定訪問特定整備の違い

訪問特定整備制度には、「訪問特定整備」と「限定訪問特定整備」の2種類があります。

大きな違いは、作業できる場所と、行える作業の範囲です。

項目訪問特定整備限定訪問特定整備
作業できる場所認証工場と同じ設備の基準を満たす場所(運送会社の整備作業場など)設備の基準は満たさないが、安全や環境に配慮できる場所(利用者の自宅の駐車場など)
行える作業自社が認証を受けた範囲の特定整備(指定整備を除く)ブレーキパッドの交換、発電機(オルタネータ)やスターターモーターの交換など、限られた作業
特定整備をともなう法定点検認証の範囲内で行える行えない
車検・車検に伴う指定整備行えない行えない

訪問特定整備は、届け出た作業場所で一定の期間(連続3日間、離島は5日間)に限って行う仕組みで、期間を過ぎてから同じ場所で行う場合は改めて届出が必要です。

どちらの場合も、訪問できるのは、届け出た事業場と同じ都道府県内か、事業場から車でおおむね1時間以内の場所に限られます。

個人のオーナーが自宅の駐車場で頼む場合は、設備の基準の違いから、限定訪問特定整備の範囲で作業を受けることになると考えられます。

参考:自動車整備事業の取扱い及び指導要領について(国土交通省)

ロードサービスとの違い

ロードサービスは、走行中の故障やバッテリー上がり、パンクなどのトラブルが起きたときに、現場へ駆けつけて応急処置やレッカーでのけん引を行うサービスです。

自動車保険に付帯するものやJAFのような会員制のものがあり、主な目的は、その場で車を動かせる状態にすることや、修理工場まで運ぶことにあります。

一方の出張整備は、あらかじめ日時を予約し、オイル交換やタイヤ交換などの整備そのものを車のある場所で行うサービスです。

トラブルの直後で車が動かない場合はロードサービス、急ぎではない整備を自宅で済ませたい場合は出張整備、と目的で使い分けるとよいでしょう。

なお、エンジンがかからないといった故障も、業者によっては出張整備で修理まで対応してもらえる場合があります。

出張整備でできる作業とできない作業

出張で対応できるかどうかは、作業が特定整備に当たるか、どの届出をしている業者かで決まります。

頼みたい作業がどの区分に当たるかを先に確かめておくと、業者に断られたり、当日に作業できなかったりする事態を避けやすくなります。

出張整備で依頼した(依頼を検討した)作業を教えてください(複数回答可)

モビリア総合研究所が、自家用車を所有し、出張整備を利用、または利用を検討したことがある102名に、依頼した(依頼を検討した)作業を尋ねました(複数回答)。

最も多かったのは「オイル交換」と「タイヤ交換・ホイール交換」で、いずれも48.0%(49人)でした。

3位は「バッテリー交換」の45.1%(46人)で、上位3つはいずれも特定整備に当たらない作業です。

「ブレーキパッドの交換」は13.7%(14人)、「点検や故障の診断」は21.6%(22人)でした。

点検や故障の診断が特定整備に当たるかどうかは、実際の作業内容によって異なります。

出張でできる作業とできない作業を区分ごとに整理すると、次のとおりです。

  • 特定整備に当たらない作業|オイル交換・タイヤ交換・バッテリー交換・用品の取り付けなど
  • 限定訪問特定整備でできる作業|一定条件のブレーキパッド交換など
  • 訪問特定整備でできる作業|特定整備を伴う法定点検など
  • 出張ではできない作業|車検や車検に伴う整備など

それぞれ見ていきましょう。

特定整備に当たらない作業|オイル交換・タイヤ交換・バッテリー交換・用品の取り付けなど

特定整備に当たらない作業は、訪問特定整備等の届出をしていない業者でも、出張で行えます。

調査で上位だったオイル交換やタイヤ交換、バッテリー交換も、この区分に含まれます。

出張で頼める主な作業は、次のとおりです。

  • オイル交換|エンジンオイルやオイルフィルターの交換
  • タイヤ交換・ホイール交換|季節ごとの履き替えや、タイヤの組み替え
  • バッテリー交換|バッテリーの点検と交換
  • 用品の取り付け|ドライブレコーダーやカーナビなど、電装品の取り付け
  • 消耗品の交換|ワイパーやライトのバルブの交換など

電装品の取り付けのように配線や内装の取り外しをともなう作業は、車種によって対応できる業者が限られることもあります。

依頼する前に、車種と作業内容を伝えて、出張で対応できるかを確かめておきましょう。

限定訪問特定整備でできる作業|一定条件のブレーキパッド交換など

限定訪問特定整備の届出をした認証工場であれば、自宅の駐車場などでも、特定整備のうち限られた作業を行えます。

対象となる作業は、次のとおりです。

  • ブレーキパッドの交換|普通・小型・軽自動車で、ブレーキキャリパーを構成する部品の取り外しをともなうもの
  • 発電機(オルタネータ)・スターターモーターの交換に必要な部品の取り外し|実施規程で指定された部位・連結部に限る
  • 一部の大型特殊自動車のステアリング用油圧ホースの交換|規程で指定された機種で、交換後のエア抜きが不要なものに限る

ブレーキパッドの交換は「事故、故障等」によるものが対象とされていますが、国土交通省のQ&Aでは、通常の使用によってすり減ったパッドの交換も含まれると示されています。

一方で、限定訪問特定整備では、特定整備をともなう法定点検として作業することはできません。

エンジンがかからない原因がスターターモーターや発電機の故障であれば、限定訪問特定整備に対応した業者に、自宅で部品の交換まで頼める可能性があります。

参考:自動車特定整備事業者が事業場以外の場所において特定整備を行う場合の実施規程(国土交通省)

訪問特定整備でできる作業|特定整備を伴う法定点検など

訪問特定整備(フルパッケージとも呼ばれます)では、設備の基準を満たす場所で、その事業者が認証を受けた範囲の特定整備を行えます。

ただし、車検に伴う指定整備は対象外です。

限定訪問特定整備ではできない、特定整備をともなう法定点検(12か月点検や24か月点検など)も、訪問特定整備であれば作業の対象です。

ただし、作業場所は認証工場と同じ設備の基準を満たす必要があり、運送会社の整備作業場などが想定されています。

一般的な住宅の駐車場では設備の基準を満たすことが難しいため、自宅で法定点検まで頼みたい場合は、対応できるかを業者に確かめる必要があります。

業者が訪問特定整備と限定訪問特定整備のどちらに対応しているかは、届出の種類とあわせて事前に確かめておきましょう。

出張ではできない作業|車検や車検に伴う整備など

出張でできない作業には、制度上できないものと、設備の都合で出張では対応が難しいものの2種類があります。

区分主な作業
制度上、出張ではできない作業・車検(継続検査)と、車検に伴う指定整備
・限定訪問特定整備での、特定整備をともなう法定点検
設備の都合で、出張では対応が難しい作業・リフトで車を持ち上げる必要がある下回りの整備
・テスターなどの検査機器や専用の設備が必要な作業
・鈑金塗装など、広い作業場所や長い作業時間が必要な作業

車検は、訪問特定整備でも限定訪問特定整備でも出張では受けられません。

ここでいう車検に伴う整備とは指定整備(民間車検場が車検と一体で行う整備)のことで、訪問特定整備であれば、認証の範囲内で特定整備をともなう法定点検は行えます。

なお、リコール作業の実施場所は自動車メーカーが定めるため、出張で対応できるかは、メーカーや販売店に確認してください。

「出張車検」という名前のサービスもありますが、車検そのものを自宅で受けられるわけではなく、車を引き取って整備工場や検査場で手続きを行い、終わったら届けてくれる引き取り納車の形になります。

車検の時期が近い場合は、引き取りや納車に対応している整備工場を探すと、自宅から動かずに済む部分を増やせます。

出張整備のメリットとデメリット

出張整備は、車を持ち込まずに整備を受けられる便利なサービスです。

便利な一方で、店舗での整備とは異なる制約もあります。

費用以外の面で、出張整備のメリットとデメリットを整理すると次のとおりです。

  • メリット|移動や待ち時間がなくなる
  • メリット|動かない車でも対応してもらえる場合がある
  • デメリット|作業場所や天候に左右される
  • デメリット|その場で直せない不具合は工場への入庫が必要になる

それぞれ見ていきましょう。

メリット|移動や待ち時間がなくなる

出張整備の大きなメリットは、整備工場への移動や、店舗の待合室で作業の完了を待つ時間を減らせることです。

店舗に持ち込む場合は、往復の運転に加えて、作業中に店内で待つか、一度帰宅して改めて引き取りに行く必要があります。

出張整備なら、自宅で家事や仕事をしながら作業を待てるため、平日に時間を取りにくい方や、小さな子どもがいて外出しにくい方にとっても使いやすいサービスといえます。

タイヤの履き替えのように、重いタイヤを店舗まで運ぶ手間を省ける点も見逃せません。

調査でも、依頼先を選ぶ際に「希望の日時に予約が取りやすいこと」を重視した方が27.5%(28人)いて、時間の使いやすさを求める方が一定数いることがうかがえます。

メリット|動かない車でも対応してもらえる場合がある

バッテリー上がりや部品の故障でエンジンがかからない車は、自分で整備工場へ運べません。

出張整備であれば、車が置いてある場所で原因を調べ、バッテリーの交換などで対応してもらえる場合があります。

さらに、限定訪問特定整備の届出をした認証工場なら、発電機やスターターモーターの交換も自宅で行えるようになりました。

レッカーで工場へ運ぶ手間をかけずに済む可能性がある点は、出張整備ならではの利点です。

ただし、故障の原因によってはその場で直せないこともあるため、依頼するときは症状をできるだけ詳しく伝えておくことが大切です。

デメリット|作業場所や天候に左右される

出張整備は屋外で作業する場面が多く、作業できる場所や天候の条件に左右されます。

限定訪問特定整備では、作業場所について次のような条件が定められています。

  • 車の周囲に50cm以上のスペースを確保できること
  • 床面が平らに舗装されていること
  • 屋内で作業する場合は、天井の高さが車の高さより30cm以上高いこと
  • 道路や、共有の私道・駐車場ではないこと(駐車場の所有者の許可を得て、車の周囲に板塀などの仮囲いを設けた場合を除く)

また、強風や大雨、雷、大雪などの悪天候で作業に危険が及ぶと予想される場合は、訪問特定整備等を行えません。

特定整備に当たらないオイル交換やタイヤ交換などは、雨の日に作業できるかどうかや作業できる場所の条件が、業者や作業内容によって異なります。

予約の際に、雨天時の扱いや延期になった場合の連絡方法も確かめておきましょう。

デメリット|その場で直せない不具合は工場への入庫が必要になる

出張整備で持参できる工具や部品には限りがあるため、点検の結果によっては、その場で修理を終えられないことがあります。

たとえば、必要な部品の在庫がない場合や、リフトや検査機器を使う作業が必要と分かった場合は、後日あらためて訪問してもらうか、整備工場へ車を入庫することになります。

車が動かない状態で入庫が必要になると、レッカーでの搬送が別に必要になる場合もあるでしょう。

依頼の段階で、その場で直せなかった場合の対応と、そのときにかかる費用を確かめておくと安心です。

契約の内容によっては、作業できなかった場合も出張費だけがかかることがあるため、あわせて確認しておきましょう。

出張整備がおすすめな人

出張整備が向いているかどうかは、生活の状況や車の状態、頼みたい作業によって変わります。

メリットとデメリットを踏まえて、自分に合うかどうかを考える目安にしてください。

出張整備がおすすめな人は、次のとおりです。

  • 整備工場へ車を持ち込む時間を取りにくい人
  • 車が動かず整備工場まで運べない人
  • オイル交換やタイヤ交換など出張で頼みやすい作業を依頼したい人

それぞれ見ていきましょう。

整備工場へ車を持ち込む時間を取りにくい人

仕事や家事、育児などで、整備工場の営業時間内に車を持ち込む時間を取りにくい方には、出張整備が向いています。

店舗に持ち込む場合は往復の移動と作業中の待ち時間がかかりますが、出張整備なら作業のあいだも自宅で過ごせます。

近くに整備工場がなく、持ち込むだけで時間がかかる地域に住んでいる方にとっても、移動の手間を減らせる点は大きな利点です。

ただし、出張整備の業者には対応エリアがあり、訪問特定整備等では訪問できる範囲も制度で限られているため、自宅が対象地域に入っているかを先に確かめておきましょう。

車が動かず整備工場まで運べない人

バッテリー上がりや部品の故障でエンジンがかからず、自分で整備工場へ運べない方も、出張整備を検討する価値があります。

出張整備なら、レッカーで工場へ運ぶ前に、車が置いてある場所で原因を調べてもらえるのが利点です。

限定訪問特定整備の届出をした認証工場であれば、発電機やスターターモーターの交換まで自宅で頼める場合もあります。

ただし、走行中のトラブルで路上に止まってしまった場合や、急いで車を動かしたい場合は、ロードサービスのほうが適しています。

依頼するときは、警告灯の表示や異音など、症状をできるだけ詳しく伝えておきましょう。

オイル交換やタイヤ交換など出張で頼みやすい作業を依頼したい人

頼みたい作業がオイル交換やタイヤ交換、バッテリー交換などの場合も、出張整備を利用しやすいといえます。

これらは特定整備に当たらない作業のため、訪問特定整備等の届出をしていない業者でも出張で対応でき、依頼先の選択肢が多いからです。

今回の調査で依頼した(依頼を検討した)作業の上位も、この3つでした。

一方で、車検や、リフトで車を持ち上げる下回りの整備などは、出張では受けられないか対応が難しいため、整備工場へ持ち込むほうが適しています。

頼みたい作業がどの区分に当たるかは、「出張整備でできる作業とできない作業」で確かめてみてください。

出張整備の料金の目安

料金体系は業者によって異なり、出張費が別にかかる場合と、出張費込みや無料の場合があります。

料金を比べるときは、作業の工賃と部品代に加え、出張費を含めた総額で考えることが大切です。

出張整備で1回あたりにかかった費用、または見積りで提示された費用を教えてください(複数回答可)

102名に、出張整備で1回あたりにかかった費用、または見積りで提示された費用(出張費を含む総額)を尋ねたところ、最も多かったのは「1万〜2万円未満」で、26.5%(27人)でした。

次いで「5,000〜1万円未満」が17.6%(18人)、「2万〜3万円未満」が15.7%(16人)、「5,000円未満」が14.7%(15人)と続きます。

「5,000円未満」「5,000〜1万円未満」「1万〜2万円未満」を合わせると58.8%(60人)で、半数を超える回答が2万円未満でした。

一方で、「3万〜5万円未満」と「5万円以上」もそれぞれ7.8%(8人)あり、「わからない」と答えた方も10人いました。

回答には依頼した作業や車種の違いが含まれ、実際に支払った額と見積りで提示された額の両方が入っているため、作業ごとの目安ではなく、今回の回答者における金額の分布として参考にしてください。

料金を考えるうえで押さえておきたいことは、次のとおりです。

  • 作業ごとの料金の目安
  • 出張費の考え方
  • 店舗への持ち込みとの費用の比べ方

それぞれ見ていきましょう。

作業ごとの料金の目安

出張整備の料金を構成するのは、主に作業の工賃、部品代、出張費の3つです。

今回の調査では作業別の料金相場までは確かめられないため、ここでは見積りの際に確認したい料金の内訳と、金額が変わる要因を整理します。

作業料金の内訳金額が変わる主な要因
オイル交換・工賃
・オイル代
・フィルター代(交換する場合)
・オイルの量や種類
・フィルターを交換するかどうか
タイヤ交換・ホイール交換・工賃
・タイヤやホイールの代金(購入する場合)
・本数とサイズ
・ホイールへの組み替えがあるかどうか
バッテリー交換・工賃
・バッテリー本体の代金 ・古いバッテリーの処分費
・バッテリーの種類や容量
・アイドリングストップ車などの専用品かどうか
ブレーキパッドの交換・工賃
・ブレーキパッドの代金
・交換する箇所(前輪・後輪)
・車種

部品代は車種や部品の種類で大きく変わるため、見積りを取るときは車検証の情報(車種や型式)を伝えておくと、より正確な金額を出してもらえます。

訪問特定整備等を行う事業者は、作業の工賃や旅費などの内訳を含む料金を、自社のウェブサイトで公開する決まりです。

作業ごとの具体的な金額は、依頼先候補の料金表や見積りで確かめておきましょう。

出張費の考え方

出張費の扱いは業者によって異なり、主に次のような形があります。

  • 出張費の別途請求がない|作業料金に含まれている、または一定の条件で無料になる
  • 出張費が定額|訪問先の距離にかかわらず決まった金額がかかる
  • 距離や地域で変わる|事業所からの距離や訪問するエリアによって金額が変わる

訪問特定整備等の場合も、旅費(出張費)を受け取ることは認められていますが、必ずかかる費用というわけではありません。

また、訪問特定整備等では、作業の前に部品代などを含む概算の見積りを示し、作業の後に請求内容を示すことが事業者に求められています。

依頼先選びで重視した点として選んだ方が最も多かったのは「出張費を含めた総額が事前に分かること」(47.1%)で、出張費まで含めた総額を事前に知りたい方が多いことがうかがえます。

店舗への持ち込みとの費用の比べ方

出張整備と店舗への持ち込みを比べるときは、作業の料金だけでなく、移動にかかる費用や時間も含めて考えます。

  • 店舗に持ち込む場合|作業料金のほか、往復のガソリン代や移動・待ち時間がかかる
  • 出張整備の場合|作業料金に加えて出張費がかかることがあるが、移動や待ち時間はかからない

訪問特定整備等の作業料金は、その事業者が自社の事業場で同じ作業を行う場合の料金を下回らない扱いです。

そのため、同じ事業者に頼むなら、特定整備に当たる作業の出張料金は、店舗に持ち込む場合と同じか、それ以上になります。

他社の店舗との価格差や、出張費を含む総額は、個別の見積りで比べてください。

オイル交換やタイヤ交換など特定整備に当たらない作業には、このルールは当てはまらないため、業者ごとの料金設定を比べて判断しましょう。

費用だけでなく、移動や待ち時間をどれだけ減らせるかも含めて、自分に合う方法を選ぶとよいでしょう。

出張整備の依頼先の選び方と事前に確認したいこと

業者によって対応範囲や料金の条件が異なるため、依頼先の種類を知ったうえで事前に確認しておきたい点があります。

依頼してから「その作業はできない」「思っていたより高い」とならないよう、確認のポイントを押さえておきましょう。

出張整備の依頼先を選ぶ際に、重視した(重視する)点を教えてください(複数回答可)

102名に、出張整備の依頼先を選ぶ際に重視した(重視する)点を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「出張費を含めた総額が事前に分かること」で、47.1%(48人)でした。

次いで「依頼したい作業に対応していること」が37.3%(38人)、「料金が安いこと」が31.4%(32人)と続きます。

料金の安さそのものより、総額が事前に分かることを重視した方のほうが多い結果です。

一方、「国の認証を受けた整備工場が運営していること」は17.6%(18人)、「作業内容の報告や記録を受け取れること」は10.8%(11人)にとどまりました。

特定整備に当たる作業を頼む場合は、認証や届出の有無が依頼できるかどうかを左右するため、料金とあわせて確かめておきたい点です。

依頼先を選ぶときに確かめておきたいことは、次のとおりです。

  • 出張整備の依頼先の種類
  • 特定整備を依頼する場合は訪問特定整備等の届出済み事業者か確認する
  • 見積りと追加費用が発生する条件
  • 作業場所と駐車環境の条件|マンションや月極駐車場の場合
  • 作業記録や報告の有無

それぞれ見ていきましょう。

出張整備の依頼先の種類

出張整備を頼める依頼先には、主に次のような種類があります。

依頼先の種類特徴
出張整備を主に行う業者・オイル交換やタイヤ交換などを出張で受けることを主な事業としている
・ウェブサイトで料金や対応エリアを公開している場合がある
整備士と利用者をつなぐ仲介サービス・登録している整備士や業者に、ウェブ上で作業を依頼できる
・実際に作業する業者は依頼ごとに異なる場合がある
地域の整備工場・認証工場であれば、届出をしたうえで訪問特定整備等にも対応できる
・その場で直せない場合に、自社の工場で引き続き対応してもらいやすい

どの種類の依頼先でも、特定整備に当たる作業を頼む場合は、実際に作業する事業者が訪問特定整備等の届出をしているかを確かめる必要があります。

訪問特定整備等では、依頼を受けた認証工場が、別の事業者に作業を再委託することは認められていません。

仲介サービスを使う場合は、作業を担当するのがどの事業者なのかも確認しておくと安心です。

特定整備を依頼する場合は訪問特定整備等の届出済み事業者か確認する

ブレーキパッドの交換など特定整備に当たる作業を出張で頼む場合は、業者が認証工場であることに加えて、訪問特定整備等の届出をしているかを確かめることが欠かせません。

届出をした事業者は、届出済みであることを示す証票を、遅くとも作業を始めるまでに自社のウェブサイトに掲載するとともに、作業場所でも見やすい位置に表示することになっています。

また、訪問する整備士は身分を示す証票を携帯し、初回の訪問時や依頼者が求めたときに提示する決まりです。

作業できる訪問特定整備士には、届出をした事業者に所属したうえで、1級または2級の自動車整備士の資格に加え、資格取得後の特定整備に関する3年以上の実務経験と、必要な教育の受講が求められます。

一定の条件のもとでは、3級の整備士などが従事できる場合もあります。

業者のウェブサイトに証票が見当たらない場合は、依頼する前に届出の有無を問い合わせてみましょう。

見積りと追加費用が発生する条件

依頼前に特に確かめておきたいのが、追加費用が発生する条件です。

車を実際に見てから、部品の追加交換や作業時間の延長が必要になり、金額が変わることがあります。

見積りの段階で、次の点を確かめておきましょう。

  • 見積りに含まれるもの|作業の工賃、部品代、出張費、廃棄物の処分費など
  • 追加費用が発生する条件|部品の追加交換や、作業時間が延びた場合の扱い
  • 作業できなかった場合の扱い|出張費だけがかかるのか、無料になるのか

訪問特定整備等では、現車を確認した後に見積額が変わる場合、依頼者の承諾を得てから作業することとされています。

特定整備に当たらない作業でも、金額が変わる場合は作業の前に連絡してもらえるかを確かめておくと安心です。

作業場所と駐車環境の条件|マンションや月極駐車場の場合

マンションの駐車場や月極駐車場で出張整備を頼む場合は、その場所で作業してよいかを事前に確かめる必要があります。

限定訪問特定整備では、共有の駐車場での作業は原則として認められていませんが、駐車場の所有者が作業場所として許可し、事業者が車の周囲に板塀などの仮囲いを設ける場合は作業できます。

所有者の許可は事業者が責任を持って確かめること、とされていますが、依頼者が先に管理会社などから許可を得ておくことも可能です。

特定整備に当たらない一般的な出張整備でも、駐車場の利用規約で作業が禁止されている場合があるため、管理会社や管理組合に確認しておきましょう。

あわせて、車の周囲に作業できるスペースがあるか、地面が舗装されて平らかどうかも業者に伝えておくと、当日の作業がスムーズに進みます。

作業記録や報告の有無

作業後に、どのような作業を行い、どの部品を交換したのかを記録として受け取れるかも確認しておきたい点です。

記録があれば、次の点検や車検のときに整備の履歴を整備工場へ伝えやすくなり、作業後に不具合が出たときの確認にも役立ちます。

訪問特定整備等で特定整備を行った場合は、特定整備記録簿に、訪問か限定かの区別や作業場所、作業した整備士の氏名なども記載する決まりです。

また、事業者は作業場所や車両・部品の画像などの記録を、作業日から2年間保存することになっています。

特定整備に当たらない作業の場合は、作業報告書や写真を受け取れるかどうかが業者によって異なるため、依頼前に確かめておきましょう。

出張整備を依頼してから作業完了までの流れ

当日までの流れを知っておくと、手配がスムーズに進みます。

依頼から作業後の確認まで、利用者がやることは多くありませんが、事前に伝える情報によって当日の作業のしやすさが変わります。

依頼から作業完了までに知っておきたいことは、次のとおりです。

  • 依頼から作業完了までの流れ
  • 当日までに準備しておくこと
  • 当日の立ち会いと作業後の確認

それぞれ見ていきましょう。

依頼から作業完了までの流れ

出張整備を依頼してから作業が終わるまでの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 問い合わせ・予約|作業内容、車種、作業場所、希望の日時を伝える
  2. 見積りの確認|出張費を含む総額と、追加費用が発生する条件を確かめる
  3. 当日の訪問・作業|整備士が到着後、車の状態を確かめてから作業する
  4. 作業後の説明・支払い|作業内容の説明を受け、料金を支払う

問い合わせの段階で車検証の情報(車種や型式)を伝えておくと、部品の手配や見積りが正確になりやすくなります。

特定整備に当たる作業の場合は、予約の時点で、業者が訪問特定整備等の届出をしているかもあわせて確かめておきましょう。

支払い方法(現金、クレジットカード、振り込みなど)も業者によって異なるため、事前に確認しておくと当日慌てずに済みます。

当日までに準備しておくこと

当日の作業をスムーズに進めるため、次のような準備をしておきましょう。

  • 作業スペースの確保|車の周囲に人が動けるスペースを空け、近くの自転車や荷物を移動しておく
  • 駐車場の許可|マンションや月極駐車場の場合は、管理会社などの許可を得ておく
  • 部品の準備|自分で用意した部品やタイヤを使う場合は、事前に業者へ伝えて手元に置いておく
  • 車の鍵と車検証|作業中に必要になることがあるため、すぐに渡せるようにしておく

雨や強風の予報が出ている場合は、作業ができるかどうかを前日までに業者と確かめておくと安心です。

動かない車の場合は、症状が出たときの状況(警告灯の表示や異音など)をメモしておくと、原因を特定する手がかりになります。

作業中は整備士が車のドアやボンネットを開け閉めするため、車内の貴重品はあらかじめ移しておくとよいでしょう。

当日の立ち会いと作業後の確認

当日は、作業の前後に立ち会えるようにしておくと安心です。

作業の前には、整備士と一緒に車の状態や作業内容を確かめ、作業の途中で追加の作業が必要になった場合の連絡方法も決めておきます。

作業中ずっとそばにいる必要がない業者もありますが、作業後の説明は直接受けるようにしましょう。

作業が終わったら、料金を支払う前に次の点を確かめておきます。

  • 作業内容と交換した部品の説明を受けたか
  • 請求額が見積りどおりか、変わった場合はその理由
  • 作業記録や領収書を受け取ったか
  • ライトやワイパーなど、作業した箇所が正しく動くか

しばらく走ってから気になる点が出た場合に備えて、業者の問い合わせ先も控えておきましょう。

出張整備に関するよくある質問

出張整備を検討している方から、よくいただくご質問にお答えします。

出張整備は違法ではありませんか?

出張整備そのものは違法ではなく、オイル交換やタイヤ交換など特定整備に当たらない作業は、以前から出張で行われています。

国土交通省のQ&Aでも、特定整備をともなわない点検や整備を事業場の外で行う事業について、道路運送車両法上の特段の規制はないとされています。

また、特定整備についても2025年6月30日から、届出をした認証工場が一定の安全ルールのもとで出張で行えるようになりました。

ただし、ブレーキパッドの交換など特定整備に当たる作業を、訪問特定整備等の届出をしていない業者が出張で行うことは認められていません。

ブレーキまわりなどの作業を頼む場合は、業者のウェブサイトや作業場所に、届出済みであることを示す証票が掲示されているかを確かめましょう。

自分で用意した部品やタイヤでも交換してもらえますか?

自分で用意した部品やタイヤの持ち込みに対応している出張整備の業者はありますが、対応の可否や条件は業者によって異なります。

持ち込みの部品では、部品そのものに不具合があった場合や車に適合しなかった場合の扱いが、業者が用意した部品と異なることがあります。

持ち込みの場合は工賃が割り増しになったり、作業後の保証の対象外になったりすることもあるため、注意が必要です。

依頼の前に、部品の品番や車種への適合、持ち込みの場合の工賃と保証の扱いを確かめておきましょう。

タイヤの場合は、サイズや製造年、ホイールへの組み替えが必要かどうかも伝えておくと、当日の作業がスムーズです。

参考記事:パーツ持ち込み取り付けの工賃相場|断られない依頼のコツ(モビリア総合研究所)

作業後に不具合が出たときは対応してもらえますか?

作業が原因と考えられる不具合であれば、まずは作業した業者に連絡して、対応を相談するのが基本です。

訪問特定整備等で損害が生じた場合は、通常、従業員である整備士の作業について、作業を行った事業者が使用者としての責任を負うとされています。

保証の期間や対象は業者によって異なり、調査でも「作業後の保証やアフター対応があること」を依頼先選びで重視した方が13.7%(8位:14人)いました。

連絡する際に作業記録や写真、領収書があると、作業の内容と不具合の関係を確かめやすくなります。

ただし、作業した箇所とは別の原因で不具合が起きている場合もあるため、まずは症状を伝えて点検してもらいましょう。

まとめ|作業内容と業者の条件を確かめて出張整備を活用しよう

出張整備は、整備士が自宅や勤務先などを訪れて整備を行うサービスで、2025年6月30日からは届出をした認証工場が特定整備も出張で行えるようになりました。

ただし、出張でできる作業は、特定整備に当たるかどうかと業者の届出の種類で決まり、車検そのものや車検に伴う指定整備は出張では受けられません。

出張整備を検討するときに最初に取り組みたいのは、頼みたい作業がどの区分に当たるかを確かめ、それに対応した業者を選ぶことです。

そのうえで、出張費を含めた総額と追加費用が発生する条件、作業場所の条件を事前に確かめておけば、当日のトラブルを避けやすくなります。

調査でも、依頼先選びで重視した点として選んだ方が最も多かったのは「出張費を含めた総額が事前に分かること」でした。

なお、本記事は出張整備の利用を推奨するものではなく、作業の内容や車の状態によっては、整備工場へ持ち込むほうが適している場合もあります。

車の状態や作業の内容を伝えたうえで、自分に合った依頼先を選んでください。

【調査概要】
調査名:自動車の出張整備の利用実態と、依頼先を選ぶ際に重視する点に関する調査
調査主体:モビリア総合研究所(株式会社プロトリオス)
調査期間:2026年10月9日〜2026年10月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象:調査回答時に自家用車を所有し、出張整備を利用した、または利用を検討したことがある方
有効回答数:102名
設問の形式:依頼した作業と重視した点は複数回答、費用は単一回答

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